渕上舞さんの話
自分語りの長文オタクポエムです。
◆最初に宣伝!
渕上さんのベストアルバムが2024年1月に発売です。「渕上舞コンセプトベストアルバム~Dreamy Stories~」の店舗特典デザインが公開✨
▽詳細はこちらhttps://t.co/PBEIjpI6J0#渕上舞
— 渕上 舞ランティス公式ツイッター (@fuchigami_staff) November 15, 2023
◆憧れと呪い
◆渕上さんとの出会い
◆渕上さんのinnocent starter
◆Fly High Myway
◆1/24に新譜が発売です
◆憧れと呪い
――憧れって、同時に呪いに近いのかもしれない。
何年か前、どうしても試験がうまくいかなくてX(旧Twitter)で泣きごとをこぼしていた私に、友人はそうリプライをくれた。
自分では頑張っているつもりでも結果が出なくて、結果が出なかったそれを努力とは呼べなかった私。資格学校の担当さんからも「もっと自分に自信を持ったほうがいい。あなたは努力してきた」と何度も言われたが、それでもなかなか自信を持つことはできなかった。
だって、私よりも頑張っている人はたくさんいるし、私の大好きな、私の憧れのあの人は、誰よりも頑張っている人だから。
水樹奈々に憧れている。今や20年物の憧れは、自分の中で揺るがぬ基準値になってしまった。
あの人ほど頑張っていない私は、頑張っているなんて言えない。努力してきたなんて言っていい立場にはいない。
そう思っていた私に、友人の言葉は新しい価値観を与えてくれた。
あれから何年か経って、さすがに私も自分と彼女の出来ることが違うこと、努力の量は絶対値ではなく相対値で十分なのだと分かるようになった。
奈々さんは間違いなくめちゃくちゃ頑張っているけど、だからって私は頑張っていないわけではない。私の人生において、その時々にできる最大限の努力をしてきたはずだった。
だけど、私は奈々さんに比べたら、まったく全然何一つ頑張っていない。
――憧れは、呪いと似ていた。
◆渕上さんとの出会い
一番最初はおそらくこちらのnote記事のツイートだったと思う。
声優・渕上舞さんの水樹奈々さんへの憧れについて(22年12月10日追記あり) 筆者:カクトひかりみず さん
これ当時渕上さん界隈でなんかイベントあったからそれで思い出して……とかで書かれたんだろうか。奈々オタク私はあんまりこの辺の時期の記憶がない。
自分のタイムラインに「渕上舞さんという声優さんが水樹奈々さんに憧れている」という情報が流れてきて、それで初めて存在を知った。
(……というのは完全に盲点で、実は私は一番好きなアニメである「ハマトラ」シリーズのスキル役ですでに声を聞いたことがあった。全然名前とか意識してなかったから忘れていた。)
奈々さんに憧れていることを公表している声優は結構たくさんいる。
先の記事で触れられている水瀬いのりさん、キングレコードのレーベルメイトの一人である岡崎美保さん、アイドルマスターミリオンライブ!などにご出演の渡部優衣さん、別レーベルだが長年の共演経験がある羽多野渉さん。大ヒット曲ETERNAL BLAZEや当時の華々しい活躍(なんせ「声優初」の文字は2010年代前半ごろの奈々ちゃんにはよく付きまとう文字だった)に感銘を受けたと語る若手男性声優も複数いる。
その中で、先の記事で語られた渕上さんのエピソードにいたく共感を覚えた言葉があった。
「奈々ちゃんになりたい!」
…………わっかるう~~~~!!!!
冒頭で憧れは呪いと似ていると述べたがマジでこれである。
小さな女の子がお姫様や魔法少女に憧れるように、男の子がヒーローに憧れるように、私は「水樹奈々ちゃん」になりたかった。
明るくてかわいくてまっすぐで努力を怠らない、自分より年上なのに少女みたいにかわいくて、お姫様ドレスが似合っていてファン思いで歌が上手くてしゃべるとすごくフレンドリーでおててがやわらかくてあったかくて身長なんて自分と大して変わらないのにステージに立つとめちゃくちゃ大きくて、
そういう「水樹奈々ちゃん」に私はなりたかった。
田舎の10代が出来る範囲で服装をまねてみたりもした。残念ながらメイクは分からなかったし興味が薄かったので当時何もしなかったけど、今でも私にとって憧れのルックスは水樹奈々さんだ。
今年の春ごろにプロのメイクアップアーティストによるメイクレッスンを受けに行った時も、憧れとして水樹奈々さんを挙げ、あんな感じで……と伝えたりもした。
そのくらい大好きで、憧れで、永遠にこの人みたいになりたいと思っている。だけどそれがかなわないことくらい、大人だから知っているのだ。
◆渕上さんのinnocent starter
渕上さんが出演した『アニソン神曲カバーでしょdeショー‼』も見た。
思い出の1曲として奈々さんのinnocent starterを歌っている渕上さんは、カメラに写る角度までまるで奈々ちゃんのようだ。出演作であるアイドルマスターシンデレラガールズでもそのパフォーマンスには定評があるそうで、実に素敵な歌唱映像だった。
とてももったいないなと感じた。
奈々ちゃんになりたかった渕上さんが、まるで奈々ちゃんみたいにパフォーマンスができることは素晴らしい。だけど私は水樹奈々みたいなものが見たければ聞きたければ奈々ちゃんを選ぶのだ。奈々ちゃんと似た誰かでは意味がないから、私は水樹奈々のファンで居続けている。
そういう意味で、渕上さんはもったいなかった。少なくともイノスタのカバー歌唱だけでは、渕上さんの持ち味が分からなかった。
奈々ちゃんを好きだと、尊敬していると言ってくれている人がいるのはファンとして嬉しい。だが、「奈々ちゃんのことを好きな人」としてしか評価しないのは失礼にあたる。
先のyoutube動画から半年ほど経った頃、Spotifyで配信されている渕上さんの曲を聞く機会があった。
聞いたのは、あまり曲数の多くないプレイリストだったと思う。一聴した感想は「ランティス系の女性アニソンアーティストらしい曲」だった。茅原実里さんやTRUEさんの印象に近い。
いかにもアニソン的なハイテンポの曲やかっこいい曲はどうしても奈々ちゃんの二番煎じ感が否めなくて、雰囲気の違う曲を探したところ、出会った。
フラミンゴディスコ。
かわいいのにどこか中毒性のあるディスコミュージックナンバーだった。
フラミンゴディスコ、かわいこぶった歌声で中毒性があって好きなんだけど、ちゃんと歌詞を読んだら真面目な子が一歩踏み出した自由を楽しんでる状態の歌なんだな 飛ぶにはまだはやいけどもうすこし踊らせてね、って
— まるい あき(まるいの) (@ma4ru2i8) July 21, 2023
なんかもうめちゃくちゃ好き。
渕上さんのかわいい歌声に感じる中毒性と、歌の主人公の気持ちが少しわかる気がするからかもしれない。
踏み出すのはまだ怖い、だけど踏み出したい。飛び出したい気持ちは、ちゃんとある。
◆Fly High Myway!
「誰かになることはできないよ でも、何かになることはできるのさ」
これは奈々さんの曲である「STAND UP!」(作詞はsajiのヨシダタクミ氏)にあるフレーズだが、まさにその通り。私も渕上さんも、どれだけ憧れたって真似したって、水樹奈々ちゃんにはなれないのだ。
同じにはなれない。同じ道は歩けない。だったら自分で道を作っていくしかない。
渕上さんがそう思ったかどうかは知らないけれど、少なくとも私はそうだった。
奈々ちゃんとは明確に業種も違うのだし、同じではない。奈々ちゃんの努力の総量を私は知らない。だけど、私がどれだけ頑張ったか、行きたかったライブもイベントもどれだけ捨てて勉強に時間を割いたか、私はすべて知っている。
「今 遠くへ飛ぶこと ほら 決めたんだから
さあ 勇気を出すよ 全力で助走つけて」
渕上舞さん作詞曲、Fly High Myway!の歌詞の一部を引用した。
憧れと同じ道ではないけれど。遠く、自分の行く先を目指すことを決めたのは自分だ。
渕上さんのエピソードは強烈なシンパシーを私に抱かせた。
残念ながら今のところ作品が絡まない渕上さんご自身を知る方法は結構限られているのだけど、彼女のファンの方から伝え聞く「背伸びをしない」スタンスというのは、私が抱えているものと似ているのかもしれない。
背伸びをして憧れを目指すことはやめた。自分にできることで、自分のやり方で、自分を証明していく。
いつかその先に、憧れとは違う景色が見えることを、きっと私も彼女も信じている。
◆渕上舞さんのコンセプトベストアルバムが発売予定です
2024年1月24日(水)に初のコンセプトベストアルバム「Dreamy Stories」が発売予定です。
1st~3rdライブのライブ映像がBD特典として収録されるそう。お値段は相応に高くなっていますが、まあライブ映像2本買えばだいたい1万5千円くらいなところに3本つくならちょっとお得か……?
詳細はこちら。
渕上 舞コンセプトベストアルバム~Dreamy Stories~ - 渕上舞 | Lantis web site
PR